From Russia with love

ロシアはモスクワにやって来た。

ロシアと言えば、マトリョーシカにウォッカにボルシチにビーフストロガノフ。

どれも特に好きではないけれど。

今の自分にはとても居心地の良い場所に思える。

誰も知らず、誰にも知られず、言葉もまるで通じない。陸の孤島にいる気分だ。

 

体調はというと、優れている訳ではないが、悪くもない。何もかも置いて出てきた街、そこには昔のように旅に出たワクワク感は無く、何処か寂しげで暗く寒い。

雪国産まれの僕にとっては、懐かしいくらいだ。

 

灰色の空と、一面に降り積もった灰色の雪は見慣れた光景だ。

モヤモヤとしたすっきりしない気候は僕の心を投影しているかのよう。

 

もともと陰湿な環境で、陰湿な性格を持ち合わせて育った私には合っているのかもしれない。

 

しかし、ここロシア(旧ソ連)の歴史は面白い。第二次世界大戦の映画を漁るようにここ5ヶ月の間見てきたからこそ余計に背景が気になる。

モスクワの南西にあるスターリングラードナチスドイツ軍と激戦を重ねた場所。

ここを死守できたからこそ、今のロシアはある。

スターリングラードソ連が守った街。そして、ノルマンディー上陸作戦でフランスを取り戻し、挟み撃ちにあったがために敗北したナチスドイツ。

 

戦争の跡地には多くの血の痕が強く残っている。そんな所を見たいだなんて気味悪がられるが、歴史を知るためには必要。

 

死ぬ恐怖と生きたいという望みが強く根付いた場所に行けば、この死にたいと思う負のスパイラルから抜け出せるのではないか。

70年前にその地で亡くなった方、戦った方には罪深い気持ちになるけれど、自分のこれからのために見たい。

 

どうか、この世が幸せでありますように。

 

ロシアより愛を込めて