black out

全ては唐突に起こりうる。
生も死も、何もかも。

ビルに飛行機が突っ込んだあの時
メルトダウンしたあの瞬間

あんな大それた事でも、今では過去のこと。
そう過去のこと。

僕が過ごした時間、夢のような一時も今では過去のこと。

始まりと終わりは交差するなんて事を言う者もいるが、過去にしがみつく者もいることは確かだ。

時計が止まってしまい、動けなくなる者も大勢いる。
未練や後悔を引きずったままその場に留まる事を選んだ者のことだ。

その原因なんてものは人それぞれ。

僕の場合、色々な事が重なった。
脳腫瘍、鬱病パニック障害、その他色々な物事が重なるだけ重なり、糸が切れた。

心と身体を繋ぎ止めていた糸がぷつっと切れた音がした。
その時から、僕の針は止まった。

薬を飲めば一時の安らぎは得ることができる。ただ、それは一時でしかない。

一つ一つ原因を解決していけば良いと、あっけらかんと言う者もいる。

どれだけの時間とお金と気力が必要なのか解りもしないで。

気丈に振る舞うことにも限界がきた。

自分で探すのにも疲れた。
変わろうとする事も嫌になった。
表面だけ変えたところで、根っこは変えられない。
その根っこにある錆はいずれ作り上げた表面上へ侵食する。

僕には生きていこうという気概がもうないのだろう。

頭にある腫瘍が破裂でもすれば良いのにと、あらぬ方向へ考えをめぐらせる。
自ら絶つことすら出来ない弱い人間だからこそ、何かにすがりたくなる。

夜が更け、僕が作り上げた世界も更けていく。
朝などいらぬ。